普段は韓国批判ばかりなのに、「韓国軍機」が邦人退避支援したらなぜか黙ってしまった人に欠ける「正しい歴史認識」

キーワード :
,
韓国人163人、日本人51人、シンガポール人6人が輸送機「KC-330」に搭乗し、10月14日夜に韓国の城南(ソンナム)ソウル空港に無事到着した。韓国までの移動が無料であった。

2000年代以降の「嫌韓ブーム」

竹島の位置(画像:OpenStreetMap)
竹島の位置(画像:OpenStreetMap)

 日本と韓国は文化、経済ともに深い交流を有しているが、歴史的背景や領土問題などで対立する側面も見受けられる。

 近年、日本のメディアや一部の政治家、特に

「ネトウヨ(ネット右翼)」

と称されるグループから、韓国への激しい批判が寄せられている。

・竹島の領土問題
・過去の植民地支配をめぐる歴史認識

などが対立の要因として頻繁に挙げられている。

 特に2000年代以降、いわゆる「嫌韓本」の登場とそれに続く「嫌韓ブーム」は、日本における韓国批判をさらに助長した。その結果、事実を無視した批判や、政敵を「在日」などと決めつける陰謀論がSNSやまとめサイトを通じて拡散。これには何度も疑問の声が上がっている。特に、関東大震災時の「朝鮮人虐殺」という歴史的事実を否定する動きが大きな問題となった。

 このような韓国側にとって不愉快な状況にもかかわらず、韓国政府は人道的見地から空席の利用を日本大使館に提案したのである。

 これに対して、日本ではさまざまな反応が寄せられている。日本の上川陽子外相は10月15日に韓国の朴振外相と電話会談を行い、心からの感謝を伝えた。さらに、自国民の安全確保という緊急事態に際し、日韓間の協力が重要であることを再確認した。上川氏は記者団に対して、

「事態の早期沈静化と自国民の出国に関して、双方で助け合い、協力していくことを一致して認識した」

と述べている。

 他方、日本政府が運賃負担を強いたことに対して、松野博一官房長官は10月16日の記者会見で

「米国や英国などは原則として搭乗者に一定の費用負担を求める方針」

と回答し、日韓での対応の落差を見せつけることになった。

全てのコメントを見る