高齢化社会の新ヒーロー? 「移動スーパー」という、限りなき可能性
山間部で「買い物弱者」「買い物難民」「買い物困難者」と呼ばれる人たちが年々増加しているなか、移動スーパーが現在注目を集めている。その利便性とは。
移動スーパーの展望
地域貢献だけでなく、販売担当者(個人事業主)との関係も興味深い。
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とくし丸の特徴は、「販売パートナー」と呼ばれる販売担当者が、提携している地元のスーパーから商品を預かり、販売を代行していることだ。彼らは商品を仕入れていないため、売れ残った商品はスーパーに返品できる。つまり、食品ロスを心配することなく販売することができる。
提携スーパーにとっても、とくし丸のシステムによって自店の存在を知ってもらうことができ、人員や車両を確保することなく移動販売を任せられるため、実店舗への来店を促せるというメリットもある。
また、地域に根ざした移動スーパーを目指しているため、個人商店との共存も考えられている。「300mルール」が設けられ、車両はその地域の個人商店の半径300m以内には進入できず、相手の営業に負担をかけることも許されない。
交通の便が悪い山間部だけでなく、都市部でも商店の撤退による買い物弱者が広がっており、移動スーパーの市場が拡大する可能性がある。
そのため、対面販売を行う移動スーパーは、地域社会の見守り役として活躍の場を広げる可能性がある。高齢化が進むなか、行政だけではまかなえきれない地域をカバーし、地域社会に貢献する方法として、移動スーパーはますます需要が高まっていきそうだ。