首都圏に「大型物流施設」続々オープン 一般人も知るべき多大な“地元メリット”をご存じか
近年、物流施設の開発が活況を呈している。コロナ禍で店舗やオフィス開発が停滞したのに対し、物流施設は特に首都圏を中心に大型施設の開設が相次いでいる。いったいなぜか。
成田空港のハブ機能を支える物流施設
物流施設の立地が地域経済に貢献している例として挙げられるのが、千葉県の北東部にある芝山町である。
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人口規模は7000人程度と大きくないが、税収が豊富である。同町は国から地方交付税を受け取らない
「不交付団体」
にも名を連ねている。「町」や「村」で不交付団体というのはかなり珍しく、六ヶ所村(青森県)や泊村(北海道)などの電源(発電所)立地の自治体を除くと数えるほどしかない。税収が豊富な理由は、成田空港に近接しており、多数の物流企業等が立地しているためである。
成田空港の航空貨物取扱量は世界5位にランクインしており(2021年データ)、国際貨物輸送のハブ空港でもある。このような成田空港の地位は、空港施設だけで実現できているのではない。
例えば日本企業が製造する半導体等の電子部品は、成田空港を起点として中国のスマートフォンメーカーなどに供給されている。その機能を支えているのは、空港周辺に各メーカーが製品出荷拠点として利用している物流施設であり、これが成田空港の優位性を高めている。同時に、地域経済の活性化にもつながっているのである。
ところで、物流が地域経済の核になっている事例としては、韓国の釜山港や、シンガポール港がよく知られているが、これらの港湾の強みは、港湾を核としてさまざまな物流施設を集約し、産業集積を生み出している点である。これは成田空港周辺の状況とよく似ている。
このような例からも、物流施設の意義が理解いただけるだろう。