首都圏に「大型物流施設」続々オープン 一般人も知るべき多大な“地元メリット”をご存じか
近年、物流施設の開発が活況を呈している。コロナ禍で店舗やオフィス開発が停滞したのに対し、物流施設は特に首都圏を中心に大型施設の開設が相次いでいる。いったいなぜか。
「モノを保管」だけの施設にあらず
物流施設が重要度を増しているのはなぜか。その第一の理由は施設の高機能化である。
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物流施設というと、「モノを保管しておく場所」というイメージを持つかもしれないが、現実はそれを大きく超えている。ロボットを使った細かい仕分けや梱包はもちろんのこと、機器の組み立てといった、複雑な作業を行っている。
例えば、インターネット通販でパソコンを注文する際、基本ソフト(OS)のバージョン、メモリのサイズなどを選んで注文できるのが普通だろう。その場合、注文を受けたパソコンメーカーは指定のメモリなどを組み付け、OSをインストールしたうえで出荷する必要があるが、その作業は物流施設内で実施されている場合が多い。
パソコンメーカーの最終組み立てを行っているのは、実は物流会社だったりする。電気機器のような産業を「加工組み立て産業」と呼ぶが、単純な組み立てだけなら物流施設で実施できるものも多いのである。
さらにいえば、大手物流事業者が3Dプリンターを使って物流施設内でオーダーメードのマウスピースを作成しているような事例もある。3Dプリンターの高度化がさらに進めば、
「工場と物流施設との境」
がなくなる可能性すらある。
かつては自治体の企業誘致といえば、雇用や税収を生むメーカーの工場が主たる対象だったが、以上で述べたような高度な物流施設には工場に匹敵するほどの雇用を生むものが少なくない。そのことが、多くの自治体が物流施設の立地促進に前向きに取り組んでいることの理由である。