「JRローカル線」存廃協議会スタートも、そもそも“バス転換”すら厳しい運転士絶対不足のハードモード
ローカル線の存廃を協議する国の再構築協議会制度がスタートした。だが、バス運転士不足の深刻化でバス転換を選択肢から外さざるを得ない事態も考えられる。
代替交通がない最悪の事態も
![バスの運転士のイメージ(画像:写真AC)](https://merkmal-biz.jp/wp-content/uploads/2023/10/231006_kyougi_04.jpg)
運転士不足は
・低報酬
・不規則な勤務時間
が敬遠されて起きている。しかも、2024年4月からは運転士の労働環境を改善する目的で年間労働時間の上限が3300時間に引き下げられる。いわゆる「2024年問題」だ。現在の運行本数を維持するには、これまで以上の人材を確保しなければならないが、現状ではとても達成できそうもない。
日本バス協会(東京都千代田区)は全国のバス会社約780社から運転士確保状況について聞き取り調査した。その結果、2023年度は必要とされる運転士数約12万1000人に対し、約1万人少ない
「約11万1000人」(92%)
しか確保できていなかった。2030年度には運転士数が約9万3000人(77%)まで減り、不足数が約3万6000人に増えると予測されている。
バスがだめなら、オンデマンド交通(利用者のニーズに応じて柔軟に運行される乗り合い公共交通サービス)があると考えるかもしれないが、主に運行を受け持つタクシー会社も乗務員不足が深刻。一般の路線バスほど大人数を運べない弱点を持ち、鉄道の代替交通として機能しない場所もある。
その上、代替交通自体がもうかる路線ではない。自治体が補てんしたとしても赤字分だけが一般的。コロナ禍で経営に深刻な打撃を受けたバス会社やタクシー会社が二の足を踏んだとしても不思議ではない。