「JRローカル線」存廃協議会スタートも、そもそも“バス転換”すら厳しい運転士絶対不足のハードモード
ローカル線の存廃を協議する国の再構築協議会制度がスタートした。だが、バス運転士不足の深刻化でバス転換を選択肢から外さざるを得ない事態も考えられる。
深刻さを増す一方のバス運転士不足
再構築協議会では将来の選択肢として鉄道の存続、バスや高速バス輸送システム(BRT)などへの転換が議論に上ると見られる。しかし、路線バスは運転手不足の加速から各地で減便が相次いでいる。大阪府南部ではバス事業の廃止を決めた事業者も出てきた。
運転士不足に悩んでいるのは、芸備線沿線のバス会社も同じだ。庄原市に本社を置く備北交通は、庄原市、三次(みよし)市など広島県北部で路線バスを運行し、芸備線と並行して走る区間を持つ。だが、最近の3年間は募集をかけても運転士が集まらない状況に悩まされている。
備北交通の運転士は約70人。今は定年延長や休日出勤で減便せずに済んでいるが、担当者は
「本音でいうとあと5人ほしい。将来の運転士確保には不安を感じる」
と頭を痛めている。