90年代「軽ワゴン」はなぜ中年男子を魅了するのか? 遊び心満載&使い勝手最高、スチャダラBoseも大絶賛【連載】90’s ノスタルジア・オン・ホイールズ(1)

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1990年代は、バブル崩壊後も未来への夢と希望に満ち、国内の自動車産業も活況を呈していた。本連載では、当時のクルマ文化を探るとともに、興奮を読者に甦らせる。

クルマは「趣味の対象」

90年代のイメージ(画像:写真AC)
90年代のイメージ(画像:写真AC)

 そして1990(平成2)年、軽自動車はそれまでの550ccから660ccへと最大排気量が拡大される。

 このタイミングで従来の2気筒エンジンを3気筒にグレードアップしたモデルも多く、ターボ仕様が完全に根付いたこともあって走行性能の向上は著しかった。加えて、内装は豪華という程ではなかったものの乗用車モデルに匹敵するクオリティーのものが当たり前となった。

 バブル期のワンボックスワゴンは、その車体の大小を問わず、シートアレンジを変えることができるのは当然の仕様となり、サンルーフやエアコン、クオリティーの高いカーステレオなども選べるようになっていた。

 今回、Bose氏が入手した1995年型のダイハツ・アトレーはバブル崩壊後の1994年に発売された3代目の初期型というモデルだ。装備やデザインはバブル時代の名残を感じることができるものでもある。いい換えれば、現在のトールワゴンスタイルに移行する前の世代の軽ワンボックスとしては、見事に完成されたものだったといっても過言ではない。

 ここまでホメちぎると、「いや、そこまでいうほどのクルマじゃないでしょ」という声も聞こえてきそうだが、今あえてクローズアップするのにはほかにも理由がある。それは、クルマとは実用品であると同時に

「趣味の対象」

でもあるということ。一口に趣味といってもそれは千差万別である。そのなかで、シンプルに「オモチャ」としていじり倒す対象としてはまさにぴったりだということなのだ。

 Bose氏がこのタイミングで1990年代の軽ワンボックスに引かれたというのも、まさしくこの

「遊び道具としての使い勝手の良さ」

があるからだろう。こうした感覚は、筆者も同じ中年男子としてまさしく肌感覚で理解できるのである。

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