「ETC2.0」普及せず 利用率はETCの「3分の1」以下という現実、いったいなぜ?

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「ETC2.0」という言葉を耳にしたことがあるだろうか。“2.0”は知らないが高速道路を利用する上でETCを使っている人は多いだろう。

ETC2.0のサービス内容と割引制度

道路交通需要マネジメントの高度化を支援するETC2.0(画像:国土交通省)
道路交通需要マネジメントの高度化を支援するETC2.0(画像:国土交通省)

 まずETC2.0にバージョンアップすることで、

・安全運転支援
・渋滞回避支援
・災害時支援

が機能として大きく加わる。

 安全運転支援とは、特定の渋滞スポットの交通状況などを事前に知らせてくれたり、天候状況、事故や故障車などのトラブル状況などを事前に情報提供してくれたりするものだ。

 そして渋滞回避支援とは、渋滞の発生していないルートをナビしてくれる、通称ダイナミックルートガイダンスによって、ルート検索を支援。距離的な最短ルートではなく、実際の渋滞状況を考慮して、時間的に最短で目的地に到達できるルートを示してくれるのだ。

 ETC2.0のシステムにより最大約1000km分の道路交通情報をITSスポットから受信できるため、複数の都県をまたがる移動もカバーしてくれる。ちなみに「ITSスポット」とは、道路に設置された特別な通話装置で、車のなかの機器と情報が交換できるものだ。これにより運転中に現在の交通状況や天気などの情報を受け取ることができる。

 また災害時支援については、地震など災害の発生を伝えてくれるほか、メッセージで災害時にとるべき行動を教えてくれる。通行不可路線や著しい渋滞が発生したルートなどを避け、適切なルートへの切り替えを行ってくれるのだ。

 そのほか、ETC2.0を装着すると以下のような割引や特典がある。

・圏央道一部区間の料金が2割引き(条件あり)
・法人向けに発行される「ETCコーポレートカード」では、大口・多頻度利用している緑ナンバー車(事業用)の場合、従来型より10%割引率が上乗せ
・特殊車両・大型車両の通行許可申請手続きの簡素化

このように多数のメリットや受けることができるサービスを考えれば、使わない手がないようにも見える。では一体なぜ普及がそれほど広がっていないのだろうか。

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