自動運転車じゃ笑えない「天一問題」 紛らわしい標識は世界中に システムどう認識?

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クルマの先進安全装備を支えるシステムが、某ラーメン店の看板を一時停止の標識と間違って認識した問題は、世界中で起こり得るのか。標識は国により、似たようなデザインで意味が異なるケースも。システムはそれをどう認識するのか。

世界には紛らわしい標識がたくさんある?

「SVNet」の画面例。距離や空間の様々な要素を組み合わせて標識を認識する(画像:ストラドビジョン)。
「SVNet」の画面例。距離や空間の様々な要素を組み合わせて標識を認識する(画像:ストラドビジョン)。

 たとえば、日本とアメリカの警戒を示す標識は、標識の形状、色、使われているシンボルで共通点が見られる。しかし注意すべきは横断歩道の標識だ。アメリカでは黄色い「警戒」の標識として扱われるが、日本では青で「指示」標識に分類、デザインや形状も異なる。

 欧州式のドイツの標識と日本も比べてみよう。すると「警戒」の標識でも形状、色と使われ方が異なっている。日本で〇に斜め線で表される「駐車禁止」のシンボルと配色は、ドイツでは「タクシー待ち場」の意味になる。

 このように、形状・色・シンボルが同じでも、国によって示す意味が異なるため、あらゆるポイントを認識・抽出・判断する必要があるのだ。

 人間であれば、まずどの国で運転をしているのか、また似ている標識があることや、文字を直接読むことなどで、標識の指示や警戒のポイントを認識することができる。では、ソフトウェアでは一体どのように認識しているのか。筆者が所属する韓国のストラドビジョンが開発した自律走行用ディープラーニングベースのカメラ認識ソフトウェア「SVNet(エスブイネット)」の認識例を紹介しよう。

「SVNet」は、カメラ映像からAIがディープラーニングによって物体を検知する。過酷な気象状況や暗い道でも、車両が他の車両や歩行者、路上の区画線や交通標識、信号機などの対象物を正確に検出・識別する。その国の標識はどのようなもので、どのような意味を持つのかを予め学習しているため、冒頭の“天一問題”のような課題は「SVNet」では起きにくい。このシステムは世界で1300万台の量産フェーズに採用されているが、それは、グローバルで実際に走行して膨大なデータを学習させているのはもちろんのこと、距離や空間認識機能など複数の要素を組み合わせているためだ。

 ただ、道路標識は頻繁にではないものの、今後も世界中で改正が行われる可能性がある。また、街中にどのような類似のマークが登場するかは誰にも予想できない。この状況は、自律走行を支える開発者にとってはリスクであるとも言える。

 そのような中で研究開発を進めれば、また新たな“天一問題”も出てくるだろう。読者の皆さんにとってはクスっと笑えるかもしれない、開発者の予想しない出来事。そうしたケースに、より多く出くわしていくことが、より高度な自動運転を実現するためには必要なのかもしれない。

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