外国人タクシー運転手「採用拡大」は正しい判断か? 現役ドライバーの私が感じた、世論と現場の圧倒的“温度差”とは
現場はどこ吹く風の様子
駅や施設のタクシー乗り場での並び方など、タクシードライバーには
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・暗黙のルール
・ローカルルール
がある。ただでさえ日本人同士でもトラブルは起こるし、文化や習慣の異なる外国人タクシードライバーとなると、さらなるトラブルが懸念される。
ただ、外国人タクシードライバーの話題は巷で盛り上がっているに過ぎず、現場はさほど気にしていない。筆者の周囲のドライバーに聞いても、そっけない返事が返ってくるだけで、身を乗り出して話そうとする人さえいない。現場では、日本人も外国人も関係ないようだ。
現在、タクシー不足で利用者に迷惑をかけているが、タクシードライバーはコロナ禍による収入減から立ち直っている最中である。今、タクシードライバーに外国人ドライバーの増加に『賛成』か『反対』かと聞いても、正直なところ明確な答えは返ってこないだろう。
ただ、日本人であれ外国人であれ、タクシードライバーが増えることで
「自分たちの稼ぎが減るのではないか」
という懸念はある。しかし、タクシードライバー自体が増えないとなると、別の懸念がある。それはライドシェアの解禁である。
業界はライドシェア絶対阻止の姿勢
深刻なタクシー不足を背景に、ライドシェアの解禁を求める声が再燃している。つい先日も、神奈川県知事がライドシェアについて言及していた。タクシー業界にとってライドシェア解禁は死活問題。タクシードライバーにとっては看過できない問題である。
普通自動車「二種免許」の取得条件を緩和し、過疎地の個人タクシーは75歳までという原則を撤廃して80歳まで営業できるようにするなど、安全性を無視した法改正が行われようとしている。
また、佐賀県佐賀市では、バス・タクシー事業者の二種運転免許取得に必要な費用の一部を補助する事業を開始した。
・規制緩和
・補助金制度
など、手を替え品を替えてライドシェア絶対阻止の姿勢のあらわれである。
外国人ドライバーの積極的な雇用は、その一環に過ぎない。外国人タクシードライバーの雇用がライドシェア解禁の歯止めとなるのか、それともすでに
「焼石に水」
なのか、今後の展開が注目される。