「ライドシェア解禁」議論白熱も そもそも欧米・中国企業に勝ち目あるのか、という根本疑問【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(16)

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ちまたではライドシェアが話題だ。賛否両論が飛び交うなか、皆さんはライドシェアがどうして誕生したのかご存じだろうか。

タクシー不足の解決方法

ヘルシンキ・ヴァンター空港のライドシェア乗り場の案内(画像:牧村和彦)
ヘルシンキ・ヴァンター空港のライドシェア乗り場の案内(画像:牧村和彦)

 このところタクシー不足として、ライドシェアを解禁する発言が活発になっている。発言者がいう「ライドシェア」が何を指しているかが曖昧であることが、混乱に拍車をかけているようだ。

 例えば、流しのタクシーが捕まりづらくなっている対策としてライドヘイリングは有効な対策だろうか。ライドヘイリングはスマートフォンでの事前予約が前提であり、流しのようなサービスではない。むしろ米中のプラットフォーマーが実用化しているような人の需要を人工知能(AI)で予測し、流しの運転手に提供していくようなDXの推進が効果的ではないだろうか。

 また、雨天などでは何社か電話してもつながらず、スマートフォンでも配車依頼を数社にトライし、ようやく呼べたという経験はないだろうか。もし、グループごとに独立した配車サービスではなく、熊本や静岡でも始まっているような複数企業の共同配車があれば、何社も連絡することなくスムーズに配車されたかもしれない。

 共同配車は連絡した1社が配車できない場合に、他社に連絡される仕組みであり、需要に対してエリアの偏り等が度々生じるような地域には有効な解決策ではないだろうか。事実、ドイツのメルセデス&BMWが立ち上げた共同運営、共同配車するFreeNowは、今や欧州を中心に成長し、登録するドライバーは130万人を超え、16か国、170都市でサービスを拡大、欧州の企業が熾烈(しれつ)な競争を勝ち抜きつつあり、競争から共創のビジネスとしても先進的な取り組みだ。

 イベントや観光地においてタクシーが不足している地域では、他地域のドライバーなどが応援配車できれば、年間の特定期間でのみ生じるようなピーク時の供給不足は、今よりは緩和するかもしれない。また、城崎温泉のように旅館ごとそれぞれの車両で送迎していたことを止め、鉄道到着に合わせ2台の送迎バスで地域として運営するなどの創意工夫もあるだろう。

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