自社の社員を社外で「さん付け」紹介、アリ?ナシ? 人事コンサルの私が感じた違和感の正体

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外資系企業やベンチャー企業の間で「さん付け文化」が広まっている。顧客の前でも「うちの〇〇さんが」といったイメージだ。肯定的に捉えていいのか。

人間関係の希薄化の表れでなければよいが

上司と部下のイメージ(画像:写真AC)
上司と部下のイメージ(画像:写真AC)

「働き方改革」や、コロナ禍によるリモートワークの広がりなどで、人々がさまざまな働き方ができるようになってきたことはよいことだ。

 しかし、一方で、

・組織の一体感の低下
・人間関係の希薄化

それによる、

・協働
・チームワーク力の減退
・創造性や生産性の低下
・離職率の上昇

などが懸念されている。

 もし社内の人に対しても「社外でも『さん付け』」することが、よそよそしさを意味しており、従業員エンゲージメントの低下の結果なのだとすれば、

「日本でも個を大切にするフラットな会社が増えてきた」

と、手放しで喜んではいられない。むしろ、本当は社内であれば、ニックネームやファーストネーム、そして社外に対しては呼び捨てで呼べるくらいの方が良好な関係性を表している可能性もある。

 杞憂(きゆう)かもしれないが、筆者が「社外でも『さん付け』」に少し違和感を持つのはこのような背景がある。

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