自社の社員を社外で「さん付け」紹介、アリ?ナシ? 人事コンサルの私が感じた違和感の正体

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外資系企業やベンチャー企業の間で「さん付け文化」が広まっている。顧客の前でも「うちの〇〇さんが」といったイメージだ。肯定的に捉えていいのか。

日本人の仲間への愛着の低さ

上司と部下のイメージ(画像:写真AC)
上司と部下のイメージ(画像:写真AC)

 この傍証(間接的な証拠)となるようなことはいろいろある。

 少し前になるが、2017年米国の大手調査会社ギャラップが、自前の「Q12(キュー・トゥエルブ)」というサーベイをもとに、全世界139か国、約1300万人のビジネスパーソンの従業員エンゲージメント調査を実施した。

 従業員エンゲージメントとは、会社への愛着や一体感など、「会社」「仲間」「同僚」に対する感情や認知の状態を示す指標である。

 日本の「Engaged(エンゲージメントが高い)」といわれる社員の割合は「6%」という結果。世界平均の15%にも届かず、調査対象全139か国の中では

「132位」

と非常に低い数値となって、当時はニュースになった。

 日本人は自分の所属する組織やその仲間に対して、愛着や一体感がとても低いのだ。

米国はファースト・ネーム呼び捨て

 また、よく考えてみれば、外資系企業が「社外でも『さん付け』」が増えているというのは不思議だ。

 外資系企業のうち多くが本社を置く米国では、上司のファースト・ネームをむしろ社内においてすら

「おはよう、トム」

みたいに呼び捨てにするではないか。

 もちろん、これは親しさや関係性のフラットさの表現だ。これと比較すると、現在、じわじわ浸透している「社外でも『さん付け』」はどこか

「よそよそしい感じ」

がするのは筆者の偏見のせいだろうか(実際そうかもしれない)。

「ウチ」の人間として結束が強いのであれば、社外では「ソト」の人と比べて近いのだから「呼び捨て」にすることはあまり変なことではない(から、ずっと常識とされてきて今に至るのだ)。

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