ゴルフカートが「離島」で現在大活躍、いったい何があったのか?

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2010年から2015年にかけての人口増減率は、全国が0.8%減であるのに対し、離島地域は9%減となっている。高齢化率は全国が27%であるのに対し、離島地域は39%だ。高齢者の歩行能力の低下を背景に、移動手段の確保が重要となっている。

今後の課題

離島のイメージ(画像:国土交通省)
離島のイメージ(画像:国土交通省)

 高度経済成長期の恩恵は離島の隅々まで行き渡り、人口は増加した。しかし、高齢化率や人口減少は著しく、移動手段の確保が課題となっている。

 その点、ゴルフカートはコンパクトで小回りが利く。メンテナンスなどの維持費も抑えられ、低速なので安全性も期待できる。離島の移動手段として最適解となる可能性を秘めている。

 しかし、運用上の課題もあり、すべての離島で公共機関が交通網維持のために投入できる税金には限界がある。

 大神島の交通モデルは住民相互の協力によって成り立っているが、協力の主体は若者である。離島に若者が居住するためには、観光資源などを活用した雇用環境が必要である。
 小さな離島には自然の音があり、人がいないという贅沢がある。しかし、観光客の流入を好まない意見もある。住民にとっては、若者が納得して暮らせる環境が必要だ。そして、これを交通モデルと結びつけることが重要である。

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