ゴルフカートが「離島」で現在大活躍、いったい何があったのか?

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2010年から2015年にかけての人口増減率は、全国が0.8%減であるのに対し、離島地域は9%減となっている。高齢化率は全国が27%であるのに対し、離島地域は39%だ。高齢者の歩行能力の低下を背景に、移動手段の確保が重要となっている。

大神島の現状と対策

離島のイメージ(画像:国土交通省)
離島のイメージ(画像:国土交通省)

 大神島は宮古島の北東に位置し、約20人が住んでいる。平均年齢は80歳代で、最も若い人は50歳である。タコの郷土料理で知られ、年間約3万人の観光客も島の食堂を利用する。また、食料は自家栽培の野菜や島で獲れた魚介類で、自給率は高いという。

 集落は坂の上にあり、道幅も狭いため、普通乗用車の走行が困難な場所もある。足の不自由な人もいる。そのため、生活必需品の買い出しが困難な状況であり、観光客に対応するための観光物資の確保も必要だった。

 そこで活躍したのが、ボランティアが運転するゴルフカートである。ゴルフカートは小回りが利きやすく、坂道を登る馬力もある。また、乗用車よりも小さくシンプルで、海上輸送やメンテナンスの面でもメリットがあると推測されている。

 ゴルフカートは、島の若者たちが高齢者の家まで荷物を運ぶために運転している。ときには、港までの送迎などのアシストも行う。つまり、住民同士の相互協力で成り立っているのだ。

 住民を公共機関で自宅まで送迎する場合、有償運送となり人件費がかかる。大神島の人口では、収益化を目指すことは難しい。島民の多くは80歳を迎えているが、若い島民は島の観光資源を糧とすることで生計を維持することができる。そのため、ゴルフカートによる送迎ボランティアが可能なのだ。

 つまり、離島などの限界集落の住民同士の相互協力関係を維持するためには、若い人たちの協力が必要だと考えられる。そのためには、若者が住みやすい仕事や地域の魅力づくりを考える必要がある。

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