「中古車買い取りトラブル」が起き続ける根本理由 悪いのは“買い取り業者”だけじゃなかった?

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中古車買い取り店にクルマを売却する際、ちょっとしたトラブルが発生することがある。よく聞くのが「引き渡し後の減額請求」だが、なぜこのようなことが起こるのだろうか。

減額トラブルの原因

査定のイメージ(画像:写真AC)
査定のイメージ(画像:写真AC)

 冒頭で述べた中古車買い取りにおける減額トラブルがなぜ起こるのか、その原因はふたつ考えられる。それぞれの側面から考えてみよう。

●売り手の問題
 売り手は常に「クルマを高く売りたい」と考えている。実車査定に入る前に、必ず買い取り業者からのヒアリングがあり、そこには「事故歴の有無」が含まれる。これは査定に影響する項目なので、知らぬ間にうそをついてしまったという人もいるだろう。ただ、このうそが引き金となってトラブルに発展することも考えられる。

●買い手の問題
 ヒアリングの後、査定士は実際にクルマを見て査定額を算出する。例えば、そのときに「左前をぶつけたことがある」と聞けば、査定士はその箇所を、事故歴がないかどうか重点的に見る。売り手がうそをついているかどうかはクルマを見れば一目瞭然だが、プロでもうっかり見落としてしまう可能性はある。修理歴の見落としは会社の損失につながる。

 トラブルに発展すれば、中古車買い取り店にも、売り手自身にも大きな負担がかかる。そうならないためには、まず売り手が誠実な取引をすることが大前提となる。

 いくらクルマを高く売りたいからといって、ヒアリングでうそをつくのは得策ではない。中古車買い取り店には熟練のプロが多い。もし売り手がうそをついているなら、それはバレバレで、基本、クルマを見ればすぐにわかるのだ。

 うそを見破られれば、その後の価格交渉で売り手にとって不利に働くことは明らかだ。ヒアリングでは必ず事故歴について、たとえ軽微なものであっても正直に伝えること。修理の明細があれば見せること。ぶつけた箇所やクルマの状態によっては、修理歴がなくても軽微と判断され、減点されないことが多いからだ。

 売り手がうそをついていた場合、最悪の場合、詐欺で訴えられる可能性がある。

「バレたら謝ればいいや」

などと考えない方がいい。

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