「NSXのエンジン音」が新米ママを救う? ホンダの作った“赤ちゃん泣き止みアイテム”をご存じか
車そのものが泣きやませアイテム
子どものいる家庭では、クルマは単なる移動手段としてだけでなく、赤ちゃんを寝かしつけたり、泣きやませたりするためのアイテムとしても活用されている。
KINTO(愛知県名古屋市)は、「夜泣きとドライブ」に関するアンケート結果をウェブサイトで公開している。このアンケートでは、「お子様を寝かしつける際、夜泣きに悩まされたことはありますか?」という質問に対し、76.0%が「はい」と回答。そして対処法として、「ドライブする・車に乗せる」と答えた人が25.3%もいた。
さらに、「夜泣きの対処として、ドライブは効果がありましたか?」という質問には、73%が「はい」と答えている。さらに同サイトで、幼児教育者の竹内エリカ氏は、「ドライブは夜泣きに効果的かどうか」という質問に対し、「効果はあります」と断言。このことからも、クルマと赤ちゃんの相性はかなり良いといえるだろう。
クルマのエンジン音の鎮静効果
一方、ホンダサウンドシッターのウェブサイトには、「胎内音に近い音が新生児の鎮静効果に役立つ」ことが日本生理人類学会誌2013年11月で発表されていると記載がある。実際、ホンダサウンドシッターの開発時にクルマのエンジン音で赤ちゃんが泣きやむという検証結果が出ている。
クルマのエンジン音が胎内音に近いと前述したが、これは周波数が近いことが関係している。子宮内で聞こえる音には母親の血流や心音など低周波が多く含まれており、ホンダ車のエンジン音にも250Hz以下の低周波が含まれている。
そこでホンダは、エンジン音の可能性の有効性を検証するため、37車種のエンジン音を録音し、胎内で聞こえる音に最も近い周波数の車種を選ぶ実証実験を行った。その結果、NSXのエンジン音が最も胎内音に近いことが判明した。
その後、クッションのなかに設置したスピーカーからNSXのエンジン音を流し、生後6か月から1歳半の男女の泣いている赤ちゃんに聞かせ、表情や心拍数の変化を記録した。その結果、12人中11人の赤ちゃんに効果が見られ、効果が見られた11人中7人の心拍数が安定した。
こうした一連のテストをもとに開発されたこの商品は、ぬいぐるみからNSXのエンジン音が聞こえるように設計されており、赤ちゃんをあやすのに一役買っている。