福岡空港ふたたび「門限」でマニラとんぼ返り! 乗客は11時間カンヅメ、もはや“金銭補償”が必要か

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最近、福岡空港の「門限」問題が頻繁に報道されている。福岡空港では、22時までに着陸できない便は着陸を許可されず、どこか別の空港に回されるか、最悪、出発地に引き返さなければならない。これが「門限」問題である。

着陸可否の見極め必要

北九州空港(画像:写真AC)
北九州空港(画像:写真AC)

 一方で、福岡空港の混雑が「門限」を守ることを難しくしているのも事実だ。2024年に新しい第2滑走路が建設され、供用が開始されれば、混雑度は改善されるだろう。しかし当面は、観光需要の急速な回復とそれにともなう離着陸便の増加により、福岡空港の離着陸遅延がますます深刻化することを覚悟しなければならない。そうなれば、「門限」の問題は今後も繰り返されるだろう。

 国内線については、北九州空港の受け入れ環境が整備された結果、問題は緩和されたが、国際線の「門限」問題については、改めて深く検討する必要があることが、今回のケースで明らかになった。

 前述したように、CIQの職員は国家公務員であるため、そう簡単に増員することはできないし、今回のような状況を踏まえて増員すれば、逆に2024年の福岡空港の新滑走路供用開始時に余ってしまう可能性もある。

 当面は、福岡空港を出発する時間帯に、福岡空港への着陸の可否を慎重に見極め、少なくとも21時までには到着するスケジュールで便を設定するしかない。それ以降に福岡空港に到着したい場合は、特に国内線では新幹線の利用を促すべきだ。これは、環境負荷を減らすために需要を航空から鉄道にシフトさせるというヨーロッパの政策にも合致する。

 そして何よりも「パッセンジャー・ライト(乗客の権利)」を考えることである。これは以前の記事(「JAL機の福岡空港「門限破り」 既出報道に欠けていた「乗客の権利」という視座、航空需要回復の今後このままでいいのか?」、2023年3月11日配信)でも触れたことだが、欧米のLCCでパイロットに成果主義が導入された際、悪天候で飛べそうもないフライトでも、なんとか飛ばそうと乗客が長時間機内に留め置かれ、結局フライトは失敗に終わった。その結果、乗客が大きな精神的・肉体的苦痛を被ったことから生まれた乗客の権利概念である。

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