さらば「紙の日報」 デンソーが自動車部品メーカーDX支援、独自の人材育成プログラム活用で

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デンソーが自社の人材育成プログラム「DENSO Cloud & Agile Dojo」を活用して、自動車部品メーカーのタケダのDX化を支援。その過程の一部を報道陣などに公開した。

「DENSO Cloud & Agile Dojo」何をする?

「nippo」がインストールされたタブレットを持つデンソーとタケダの担当者(画像:デンソー)
「nippo」がインストールされたタブレットを持つデンソーとタケダの担当者(画像:デンソー)

 今回、「DENSO Cloud & Agile Dojo」の受講生5人は、タケダ社員からのフィードバックをもとに開発を繰り返す「アジャイル開発」を前提とし、自己管理されたチームとして開発を実践できるよう研修を進めた。

 そして、実際に開発されたアプリが「nippo(ニッポ)」だ。前述した問題を解決するために、作業者がタブレットで作業報告書を作成できるシステムで、手入力がほとんどなく、入力値のチェックもあるのでデータの不整合が起きないほか、直接データベースに保存されるためOCRなどによる変換処理が不要となり、タイムリーな生産管理ができるという。

 作業時間を記録する際にも、従来はタイマーなどで計測したり、時計を見て大体の時間で記入したりしていたが、新規開発のアプリは時間計測機能が備わっており、入力時間がそのまま記録されて作業報告書となる。このようなことから、現場作業者は負担の減少を感じているという。

 タケダの担当者は「作業者からは『直感的に扱えてストレスが低減した』『説明を受けていれば、十分に理解できる内容』という肯定的な意見のほか、年配層から『スマホですらやっとなのに…』という否定的な意見もあった」と話した。

 デンソーの担当者は、今回のタケダとの取り組みのような外部企業との連携について「研究開発として進めていきたい」とし、取引先がDXを実践することについて「業界全体の効率化には絶対に意味がある」と述べた。

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