さらば「紙の日報」 デンソーが自動車部品メーカーDX支援、独自の人材育成プログラム活用で

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デンソーが自社の人材育成プログラム「DENSO Cloud & Agile Dojo」を活用して、自動車部品メーカーのタケダのDX化を支援。その過程の一部を報道陣などに公開した。

紙の日報をデジタル化して効率アップ

見学会の様子。手に持つのは「nippo」がインストールされたタブレット(画像:デンソー)
見学会の様子。手に持つのは「nippo」がインストールされたタブレット(画像:デンソー)

 デンソーは9月4日、同社が開発したハードウエア設計者やソフトウエア開発未経験者向けの教育プログラム「DENSO Cloud & Agile Dojo(デンソー クラウド アンド アジャイル ドウジョー)」の活用事例として、自動車部品メーカーのタケダ(愛知県刈谷市)のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援した取り組みについての説明見学会をタケダ本社で開いた。

 デンソーによると、同社はクラウドやWebサービスの開発を担う社内人材の育成に力を入れており、その取り組みのひとつとして、社内公募で集まった社員が2カ月間集中でクラウドやWebサービスの開発を学ぶ人材育成プログラム「DENSO Cloud & Agile Dojo」を実施。実際のクラウドやWebサービスの開発を通じ、実践的な技術の習得や、市場や顧客のニーズから開発を進める「マーケットイン」な考え方の習得を目的としている。

 今回は、専門知識を必要とする地域企業と、専門知識を持つ民間人材のマッチング事業を行う「愛知県プロフェッショナル人材戦略拠点」の紹介で、デンソー所属の「DENSO Cloud & Agile Dojo」受講生5人がタケダのDX支援を行うことになったという。

 タケダは従来、プレスや組み立てなどの作業記録を作業者が紙に記録し、生産管理部の担当者が光学式文字読み取り装置(OCR)リーダーで読み取り、エラーをチェックしたのち製造部に修正依頼。その後製造部門が修正した内容をもとにRPA(Robotic Process Automation)によりリポートを作成して配信するというアナログな手法を用いていた。

 この方式では、「紙ベースの運用でリポート作成に工数がかかる」「翌日にまとめて処理をするためリアルタイムに進捗(しんちょく)が分からない」「作業記録で手一杯となり、データ分析の工数がとれない」といった課題があり、紙ベースのやり取りをやめ、デジタル化することが今回の大きな目的となった。

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