フードデリバリーは本当に「オワコン」なのか? コロナ終息で需要減少、他社との我慢比べで「手数料値上げ」もできない現実
出前館の決算データをひもとく
それでは、実際のところ日本国内の状況はどうなっているのだろうか。ここで、出前館の決算資料をひもといてみよう。アクティブユーザー数(特定の期間内にウェブサイトを訪れたユーザーの数)は、次のとおりだ。
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2018年8月期決算:約269万人
2019年8月期決算:約300万人
2020年8月期決算:約392万人
2021年8月期決算:約734万人
2022年8月期決算:約873万人
コロナ以前から、アクティブユーザー数が増加傾向にあったが、感染拡大の真っただなかにあった2021年8月期決算では、前期比87%もアクティブユーザー数が増加している。また、2022年8月期決算も伸びが鈍化しているものの、増加を続けている。それでは、2023年8月期の状況はどうだろうか。
2023年8月期 第1四半期決算:約846万人(前年同期比9%増)
2023年8月期 第2四半期決算:約769万人(同10%減)
2023年8月期 第3四半期決算:約712万人(同19%減)
第1四半期はまだアクティブユーザー数が増加傾向を保っていたが、第2四半期から減少し始め、第3四半期では前年同期比で約2割も少なくなっていることがわかる。しかし、アクティブユーザー数が減少したといっても、コロナ以前と比較すると高水準にあることには違いない。
もうひとつ、もうけを示す営業利益(連結)をみてみよう。
2018年8月期決算:売上高54億3000万円、営業利益8億3700万円
2019年8月期決算:売上高66億6600万円、営業利益▲3900万円
2020年8月期決算:売上高103億1500万円、営業利益▲26億8700万円
2021年8月期決算:売上高289億5400万円、営業利益▲191億5700万円
2022年8月期決算:売上高473億1400万円、営業利益▲364億4200万円
2018年8月期にはわずか54億円だった売上高が、2022年8月期には473億円と驚異的な伸びを示している。その一方で、積極的な事業展開や投資により、赤字が続いているのが現状だ。
いつまでも赤字を続けるわけにはいかないので、そろそろ投資回収フェーズに入りたいところだろう。