航空業界で「AI活用」が遅れている根本理由
航空業界では、航空機操縦の自動化だけでなく介入できる分野は多い。その一方で、航空業界ではAIや管理システムの活用に疑問を呈する声もある。なぜか。
雇用への影響に対する懸念も
AIは有用なツールであり、特に近年急速に開発が進んでいる。一方、航空業界はAIの活用にあまり成功していない。この業界はAIの応用範囲が広いが、安全性への懸念が足かせとなっている。
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AIが完璧に学習せず、予期せぬ反応を示すかもしれないという懸念があり、AIの開発競争が安全性に影響を及ぼす可能性がある。
こうした安全性への懸念が、今後の開発によって解消されるとは限らない。航空業界に限ったことではないが、開発が進みAIが完璧なものになったとしても、今度は雇用への影響に対する懸念が現れるだろう。ひとつの問題が解決すれば、次の問題が表面化するのは世の常である。AIと人間がうまく共存していくことが、今後の発展にとって最も重要である。
最近の例では、大阪万博の巡回バスにレベル4の自動運転が導入される予定だ。レベル4とは、一定の条件下で運転する場合に限り、運転手が席を離れられるレベルを指す。これもAIの恩恵によるもので、2025年の導入が予定されている。
特定の条件下だけとはいえ、バス運転手の仕事を奪うことになる。しかし、極論すれば、AIはあくまで機械である。介助が必要な乗客への対応など、臨機応変な対応が求められる業務には困難が伴うだろう。その場合、人間の運転手が重宝されることも考えられる。
本当に人間が必要な仕事とAIに任せられる仕事をうまくわけ、双方が支え合うような勤務形態が完成すれば、AIの導入は大きく前進するだろう。