コロナ禍が生み出した「新たな観光スタイル」 ワーケーション・マイクロツーリズム・ステイケーション、今後も残るのはどれだ?
観光産業は活況を取り戻しつつあるが、そうなると気になるのはコロナ禍で生まれた「新たな観光スタイル」の行方である。
ステイケーションの可能性

ステイケーションは「ステイ」と「バケーション」からなる造語だ。
休暇を海外やリゾートなどへ旅行するのではなく、自宅や近場で過ごすという意味である。イギリスでブレグジット(EU離脱)が発表された直後、ポンドの価値が暴落した際に生まれた言葉であり、旅費を節約して浮いた予算を使って豪華なホテルで過ごしたりする。
都市部ではインバウンドを見込んでホテル開発ラッシュとなっていたが、コロナによってその需要を一気に失った。ホテル業界では打開策として、働く女性がリフレッシュできるプランや、家族で室内キャンプ気分を楽しめるプランなど、さまざまなステイケーションを打ち出す。コロナ禍の夏休みには都市部のホテルでステイケーションする人が見られた。
ホテル業界も国内観光客やインバウンドが回復して、そちらの需要にシフトしている。しかし、格式を重視して保守的といわれるホテルが
・ステイケーション
・リモートオフィス利用のデイユース
・サービスアパートメント
など、さまざまな新しい取り組みにチャレンジしたことは特筆される。消費者の反響もあり、サービスとして定着しているものもある。これらの取り組みによって消費者にホテルで過ごす時間を楽しむ意識が拡大した。
今後も尽きない懸念材料

遠方への旅行に使用される旅客機や新幹線、長距離バスなどの広域交通機関もコロナの影響で旅客需要が激減し、同様に大きな打撃を受けた。
これからも感染症だけでなく、異常気象、世界情勢などの懸念材料がある。コロナ禍で生まれた新たな取り組みを継承していきたいものだ。