東海道新幹線が台風7号で大混乱 トラブルまみれの「移動体験」はなぜ記憶に残るのか?
トラブル楽しめるメンタリティー

誤解のないようにいっておくが、筆者はトラブルが起きがちな台風のときの外出を推奨しているわけではない。自分がいる場所が安全なら、台風が来ているときには移動しない方がよい。
しかし、社会生活を営む上では、多少の障害があっても移動せざるを得ないときもある。お盆休みが終わり、明日から出社しなければいけないという人も多かっただろう。また、台風の進路や雨の状況、そしてその影響による交通機関の状況も、予想どおりには行かない。
今回も、台風本体が過ぎ去った後に、離れた静岡県で局地的豪雨が降り、これによって生じた新幹線のダイヤ乱れが、さらにその翌日まで食い込んでしまうことなど、誰にも予想できなかっただろう。
こう考えてみると、やむを得ず出掛けていき、予想が外れて予定が狂ってしまうのは仕方ないことだ。その結果仕事に穴を開けてしまった人もいるかもしれないが、相手が自然災害だからやむを得ない。むしろ、災害に巻き込まれてけがをしたり、体調を崩したりしなかったのであればラッキーだ。
そしてそのときには「参ったなあ」と思うかもしれないが、大変な思いをしたエピソードは後できっとよい思い出になる。人生のネタがひとつ増えたと考えれば、むしろプラスかもしれない。そう思って、トラブルを楽しむぐらいのメンタリティーを持てれば、ポジティブな気持ちになれる。
ポジティブな気持ちになれば、前の車のドライバーや駅員さんなどにイライラをぶつけることもなくなるし、自分の周りで困っている人を助けようと思えるかもしれない。そしてひょっとすると、そこから人生の新しいストーリーが始まるかもしれないのだ。
トラブルには巻き込まれないに越したことはないが、また同じような体験をしてしまったときには、今までよりもポジティブに捉えてみてはいかがだろうか。