都心の高級マンション住人に「トヨタ車」が人気なワケ
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高級賃貸仲介サービス「モダンスタンダード」を運営するリノシープラス(東京都港区)が7月20日に発表した「都心の高級マンションに住む人がリアルに乗っている 車のメーカー・車種ランキング2023」によると、最も多いメーカーはメルセデス・ベンツ。次いでトヨタだった。
変化する富裕層の価値観

富裕層の自家用車志向はすでに多くの人が知るところであり、大型SUVがその中心となっている。しかし、そうした富裕層の間でもトヨタがメルセデス・ベンツに次いで2位であることに驚く人も多いだろう。
レクサスのSUVはいうに及ばず、アルファードやランドクルーザーが上位にランクインしていることは、トヨタの実用性と信頼性がすでに外車のブランドイメージを上回っていることを示しているのかもしれない。
現在、交通の便が良い都心部で、決して安くないランニングコストで自家用車を維持している層から推測されるのは、
「それなりにクルマに対する思い入れが強い」
ということだろう。
しかし、マニアックな外車ではなく、都会でも目立たず風景に溶け込む実用的なモデルを選ぶ人が多いことからも、嗜好が変化しているのだろう。富裕層だからといって、外車のプレミアムセダンやスポーツカーを選ぶという価値観はすでに過去のものなのかもしれない。
一方、今回のデータにおいて、電気自動車(EV)ではテスラがデータ上では一番人気だが、必ずしも圧倒的な人気というわけではない。もちろん、富裕層、特に新しいもの好きには注目すべき存在である。しかし、現在の支持率は上記のSUVには及ばない。
今後、大手メーカーがEVのラインアップにプレミアム性の高い大型SUVを増やしていくことは、十分に想定の範囲内である。
そうしたモデルが登場したとき、富裕層におけるEVのシェアはどうなるのか。今後も注視していきたい。不動産物件に急速充電設備が常設されることも、この選択肢を選ぶ大きな理由になるかもしれない。