鬼怒川が衰退し、箱根が「一大観光地」であり続けるワケ

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神奈川県西部に位置し、日本を代表する観光地・箱根――。そんな箱根には現在、インバウンド(訪日外国人)が殺到しているが、インバウンド需要以前の箱根の“ドル箱”は修学旅行生だった。

箱根が繁栄を続けている理由

箱根(画像:写真AC)
箱根(画像:写真AC)

 しかし、修学旅行や団体客向けの観光地が寂れるなか、箱根はいち早くインバウンド需要にシフトし、繁栄を続けている。

 理由は、先読みが早かったからだ。早くから修学旅行生が殺到していた箱根は、1980年代後半からリニューアルの時期を迎える。

 そのとき、箱根はすでに将来の少子化や需要減を見越した対策を講じていた。リニューアルでは大広間を減らして個室を増やし、各部屋にユニットバスなどの設備を整えた。これが、箱根が停滞することなく、今なお繁栄している理由である。

 江戸時代以降、箱根が繁栄と衰退を繰り返してきたのは、この経験則のおかげかもしれない。歴史に学ぶことは経済にとっても重要である。

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