トラック運転手の最大の敵? いまだに残る因習「バラ積み」を撲滅させる、決定的な方法とは

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最近、物流効率化を報じるインターネットニュースが増えているが、そのコメント欄でよく見かけるのが、「いくら効率化をうたっても“バラ積み”が変わらないと意味がない」といった意見だ。

海外の事例

ウォルマートのウェブサイト(画像:ウォルマート)
ウォルマートのウェブサイト(画像:ウォルマート)

 例えば米国の巨大流通業であるウォルマートは、納品する際の荷姿条件を事細かに定め、ベンダーに公表している。

 このうち一般的な消費財についてはパレット納品を原則としている。その際、パレットは安価な木製のほか、レンタルパレットを利用して納品してもよい。レンタル会社の種類は幅広く指定されており、米国でメジャーなレンタル会社のパレットで納品する限り、回収等の手間も生じない。

 これは一例だが、コストコなども含め、グローバル企業はどこも同じような納品条件である。このような海外の事例を踏まえると、日本で同様のことができない理由はない。

 パレットで納品する場合、レンタル大手(日本パレットレンタル、UPR、三甲、日本パレットプール)のどのパレットを使ってもよいこととすれば、ベンダー側にパレット回収の負担を掛けることもない。

 輸送の積載効率が低下する問題はあるが、段ボール箱の形状を見直すなどの工夫によって、マイナスは許容できるレベルに抑制できる。また、トラックのサイズを見直すことで、積載量を減らさないことも可能である。

 2024年問題を前に、ドライバーの労働環境改善への取り組みが進んでいるが、より一層の働き方改革のためには、バラ積みをなくすことが何より必要である。残業時間の規制が導入される2024年4月までには、半年程度しか時間が残されていないが、ドライバーの労働条件改善のための取り組みが進むことを期待したい。

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