芸能人はなぜ「ハワイ」によく旅行するのか? その背景にあった「楽園イメージ」の源泉を辿る
ハワイの美しいビーチとリラックスした雰囲気は、日本の芸能人の間で人気だ。なぜか。ハワイ旅行の歴史からたどる。
格安航空券制度の登場
その後、格安航空券制度が導入されると、運賃はさらに安くなり、個人旅行でもハワイ旅行は非常に安く手軽に行けるようになった。
こうして、手頃な値段で観光できるようになったハワイに、日本人観光客が殺到するようになった。成長する日本企業はホテルやショッピングセンター、住宅を買いあさり、ハワイの滞在しやすさはどんどん進化していった。
バブル期には、住宅地が高騰していた日本では無理でも、ハワイなら家を持てるという話まで出た。
こうして、ハワイは日本人にとって最も人気のある海外旅行先となった。憧れの地を実際に行ける場所に変えたのは価格革命だった。経済動向は、ひとつの価格変動がいかに大きな波及効果をもたらすかを示している。価格革命の影響は単なる観光客の増加ではなく、地域経済に多大な影響を与えた。
このような現象は、経済の微細な変動が特定の産業や地域にとどまらず、関連する多くの産業や地域に波及することを示している。経済とは、個々の動きが連鎖的に影響し合い、全体として大きな流れを作り出していることを改めて思い知らされる。
コロナ禍以降、航空運賃は高騰を続けているが、航空券検索サイトで調べてみると、2023年9月の成田~ホノルル間の最安航空運賃は4万4160円で、1964(昭和39)年当時と比べると破格である。
芸能人のハワイ旅行、快適なハワイの背景には、このような深い歴史があったのである。