高速道路の逆走はなぜ起こる? 「逆走防止」官民連携の挑戦とは
逆走防止に向けた新たな取り組み

高速道路での逆走防止については、これまで「錯視効果を応用した路面標示」や「電光表示による逆走警告」などが実施されてきた。
逆走防止のための新たな取り組みとしては、「画像認識を用いるための看板の標準化」や「逆走検知トラカンを活用した警告システム」などがある。また、画像認識技術を利用し、カーナビと連動した次の3段階の警告システムの導入も検討されている。
1.規制標識による警告
2.画像認識用標識により、ドライブレコーダーやカーナビ等から警告
3.風船状のエアバルーン遮断器による強制的抑止
規制標識による警告は従来からの対策だが、画像認識技術はカメラの性能や道路標識の規格化も課題となっており、新しい技術として注目されている。
また、「逆走検知トラカン」についても、従来品は逆走を検知した後、通常車線を走行するドライバーに逆走車両の存在を知らせるだけだった。今回導入された「逆走検知トラカンを活用した警告システム」は、音声と字幕、赤色警告灯により、通常の車線を走行する車両だけでなく、逆走車両をドライバーに直接警告する。
システムのポイントは次のとおり。
・逆走車検知センサーとの連携
・サイレン、赤色灯と電光表示による注意喚起
・「逆走です」と音声での警告
まず、逆走車両が高速道路に進入すると、逆走車両検知センサーがそれを検知し、システムが作動する。すると、高速道路上の電光掲示板に逆走車両がいることを示す警告が点滅し、続いて赤色灯が点灯し、スピーカーから「ウー(サイレン)」が鳴り響いた後、「逆走です」と警告音声が流れる仕組みである。
注意しなければならないのは、逆走車両をドライバーに警告することは重要だが、逆走車両がいることを突然警告されると、ドライバーは急ブレーキや急ハンドルを踏んでしまい、重大な事故につながる可能性があるということだ。
逆走車に気づいたら、まず落ち着いて安全な場所に停車する。また、ハザードランプを点灯させ、車内にとどまることなく安全な場所に退避し、110番や近くの緊急電話に通報することが大切である。逆転に気づいたら、まず冷静になることだ。