ドラレコ依存社会に潜む罠! 「絶対安全」という自覚なき勘違い、その正しい付き合い方を考える

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自分の身に降りかかってくるかもしれないアクシデントへの対応として、ドライブレコーダーはもはや欠かせない車載機器になりつつある。一方、取り付けたばかりに“妙な安心感”を生んではいないか。

全映像を捉えていないドラレコ

20代~60代の車を保有している男女1000人を対象に行った、「ドライブレコーダーへの不安」に関するアンケート結果(画像:パイオニア)
20代~60代の車を保有している男女1000人を対象に行った、「ドライブレコーダーへの不安」に関するアンケート結果(画像:パイオニア)

 とはいえ、大半はドライブレコーダーをカー用品店などで購入して取り付けることがほとんどだ。そのときの注意点が、取り付け位置はできる限り視界に入らない場所を選ぶということ。

「それじゃドライブレコーダーの映像が見えない」

と思われるかもしれないが、走行中はドライブレコーダーの映像は必要がない。ドライブレコーダーの映像が表示されていると、運転中に視線がつい移ってしまうし、特に夜間ではその映像がまぶしさを感じさせることにもなる。なので、映像はむしろ見えない方が安全上も好ましいのだ。

 そこで、私(会田肇、乗り物ライター)が推奨するのは運転席側から見て、ルームミラーの陰となる位置か、それよりも上側となるフロントガラスに取り付ける。その上でモニター表示は、起動時の数分だけに設定しておく。これによって、走行中にドライブレコーダーの映像は視野に一切入ってこなくなるし、助手席の人にも映像で前方を邪魔されることがない。

 一方で360度カメラ型や、車内向けに赤外線カメラを取り付ける場合は運転席側に取り付けざるを得ないが、その場合もできる限り視界を妨げないフロンドガラス上部に取り付け、その上でモニター表示は起動時だけの数分間に設定する。とにかく、走行中はドライブレコーダーの映像は見えないか、表示されないことが安全上もっとも重要なのだ。

 それとドライブレコーダーは、

「すべての映像を確実に捉えているわけではない」

ことも知っておきたい。

 カメラのレンズ外での出来事が映らないのは当然としても、映っているはずの範囲内でもときとして“記録エラー”となってしまうことがあるのだ。

 ドライブレコーダーは走行中に記録/消去が絶えず繰り返される酷使状態にある。さらに炎天下にクルマが置かれた状態で使うこともあり、こうした状況下ではカード内に不良セクターが多数発生しやすくなる。

 こうした状態になると大多数はエラー表示が出てその状態がわかるが、なかにはこの表示が出ないため、いざ映像をチェックしようとして慌ててしまうことがあるのだ。

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