遮断機も警報機もない! 全国の危険な「第4種踏切」、事故撲滅のためにはまず短絡的な思考を捨てよう

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JR西日本は7月、中国国統括本部が第4種踏切の安全対策として「踏切ゲート-Lite」を開発したと発表した。今後は準備が整い次第、設置を進めていく。第4種踏切とはどのような踏切だろうか。

スイスとスペインの成果

電車と踏切(画像:写真AC)
電車と踏切(画像:写真AC)

 国として、踏切の安全確保に振り切っているのがスイスだ。

 スイス連邦運輸省交通局によると、2000年代から踏切の改修プログラムを実施し、約2600の踏切を改修または撤去を行ってきたそうだ。今では、スイス国内に約4370か所ある踏切のうち

「97%」

が法的な安全要件を満たしているという。残りの3%は、関係者が多く合意形成が難しいケースが多いとのことである。

 このほか、スペインは、衛星利用測位システム(GPS)を活用する方法で試験的に安全対策に取り組んでいる。道路車両と列車の位置情報をリアルタイムでトレースし、踏切付近で双方が接近したときに、道路車両、列車、管理者に警告を発する仕組みだ。

 人や軽車両はどうなるのかという疑問は残るが、道路交通を遮断するという従来の発想を脱却した点は評価してもよい。

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