遮断機も警報機もない! 全国の危険な「第4種踏切」、事故撲滅のためにはまず短絡的な思考を捨てよう
JR西日本は7月、中国国統括本部が第4種踏切の安全対策として「踏切ゲート-Lite」を開発したと発表した。今後は準備が整い次第、設置を進めていく。第4種踏切とはどのような踏切だろうか。
安全対策が進まない背景

第4種踏切の安全確保には、現時点では
・踏切そのものの廃止
・第1種踏切化
しか選択肢がなく、いずれも行き詰まっている様子がうかがわれる。
踏切を廃止では、
・地域住民
・踏切と交差する道路の利用者
・道路の所有者
との廃止に関する合意形成に苦慮している。また、道路を含めた踏切周辺の土地の地権者が不明のため、そもそも廃止に向けた話し合いすらできない場合もある。
一方の第1種踏切化では、費用の捻出が課題となっている。鉄道会社としては、経営体力という切実な問題はもちろん、第1種踏切化より設備の更新などより重要な安全対策を優先せざると得ない背景もある。さらには、第1種踏切化を行うには、道路の所有者にも費用の負担が生じるため、公道・私道を問わず前進しない例もある。
列車本数がわずかで通行量も少ない第4種踏切の場合、
「そもそも遠回りや廃止する必要があるのか」
という素朴な疑問と、高額な設備投資費用、鉄道会社や自治体などにおける安全対策投資の優先順位の低さが相まって、一向に安全対策が進まないともいえる。