ホンダ・トヨタの「働き方改革」を比較してみた 「自動車メーカー = 男社会」の構図はいつ変わるのか?
国の方針と時代の流れを受け、自動車メーカーでも働き方改革やワークライフバランスの取り組みを進めている。これらはジェンダー問題と深く関連しているが、男性従業員比率の高い業界ではどうなのか。
女性のキャリア継続のキーは何か
どちらの会社も、さまざまな制度を用意していることが分かった。
ホンダは労働時間の短縮に力を入れていて、育休をはじめ、休みを取りやすい文化がある。トヨタは在宅勤務や時短勤務に強い。
ホンダでは育児や介護を理由に在宅勤務が可能だが、マイノリティーになるのは事実だ。トヨタでは事由に関係なく在宅勤務自体が奨励されているし、その選択がハンディにならないよう対策してきた。
筆者(才田怜、ジェンダー研究家)のまわりでも、他業界であるが、出社ありで在宅勤務をする夫婦がいる。出社日をずらし、どちらかが家にいるようにして子育てに対応している。もともと通勤時間はそれほど長くないが、就業時間がとても長いので、在宅勤務がはじまってから、子どもと向き合う時間ができて「生活の質はずっと高くなった」と話していた。
配偶者の転勤で転居した場合、トヨタは在宅勤務で続けることが可能だが、ホンダの場合は転居先から最寄りの職場が遠い、合う職種がない場合、休職せざるを得ないのでないか。
労働時間の短縮がワークライフバランスには不可欠だが、総合的に見ると、
「在宅勤務の制度」
が女性のキャリア継続のキーなのではないかと考える。