ホンダ・トヨタの「働き方改革」を比較してみた 「自動車メーカー = 男社会」の構図はいつ変わるのか?

キーワード :
,
国の方針と時代の流れを受け、自動車メーカーでも働き方改革やワークライフバランスの取り組みを進めている。これらはジェンダー問題と深く関連しているが、男性従業員比率の高い業界ではどうなのか。

ホンダの現況

残業のイメージ(画像:写真AC)
残業のイメージ(画像:写真AC)

 トヨタで大幅拡大した子育て事由の時短勤務制度であるが、ホンダの場合、男女ともに子どもが4年生を終えるまで使うことができる。

 柔軟な労働時間としては、コアタイムが短いフレックスタイム制度がある。月度の所定労働時間内に達するよう自由度が高いもので、コロナ禍に時差出勤の必要性から利用者が増加した。

 ホンダは労働時間の短縮に以前より力を入れており、1972(昭和47)年に完全週5日制を導入した実績を持つ会社だけに、こだわりを持って世間とは違った動きをする。

 残業を減らすべく、週に一度のノー残業デーを設けていたが、フレックス制の従業員が増え、退社時間を決めることはかえって自由度を損ねるとして2023年4月にノー残業デーを廃止した。代わりに、週に一度は8時間以上の就業はしないよう各自が対応することになり、より使い勝手がよくなったと思われる。

 ホンダは、コロナ禍に在宅勤務を取り入れていたが、2022年5月に原則週5出社とした。直接ものを見て、直接対話することの重要性が理由だが、この決断はある程度の衝撃をもって迎えられ、広く報じられた。

 平均有休取得日数は2022年が20.1日。1970年代から有給休暇の繰り越しによる消滅をなくす取り組みをはじめ、1988年の事前で達成している企業ならではである。

全てのコメントを見る