知ってた? 「フォグランプ」が新車設定から消滅しつつあるワケ
2018年5月にマイナーチェンジを行った「アテンザ(現マツダ6)」を皮切りに、2019年の「マツダ3」や「CX-30」、2020年に登場した「MX-30」などはフォグランプを採用していない。いったいなぜか。
多機能化が進むLEDヘッドライト
現在、LEDヘッドライトの機能が向上し高機能・多機能化が進んでいる。特に、前述のハイビームを維持しつつ配光をコントロールするADBの進化は著しい。
自動車ランプの純正部品メーカーである市光工業(神奈川県伊勢原市)は「HDライティング」を開発。HDライティングとはヘッドライトの照射範囲を数万ピクセルに分割して個別に制御する技術のことで、従来のADBは光の照射面を12分割で制御している。
それに比べHDライティングは、より高解像度で配光をコントロールできるのだ。ロービーム領域では、レーンガイドやナビゲーション表示を路面に表示して運転をサポートすることもできる。横断する歩行者の足元を強調するため、安全運転のサポートも可能なのだ。
小糸製作所(東京都品川区)は「ブレードスキャン」を手掛けている。メーカーのウェブサイトでは
「ミラーの回転と12個のLEDの点消灯を制御することにより、LED300個相当の高精細な配光を実現」
と説明されており、こちらも高解像度での制御が可能だ。世界初のシステムで、高解像度での制御を、コストを抑えつつ実現しているところが強みだ。すでにレクサス「RX」などに採用されている。
フォグランプを廃止に追いやりつつあるLEDヘッドライトは、さらなる進化を遂げているのだ。