宇都宮LRTに集まる都市再生への熱き期待 日本各地で盛り上がった「LRT構想」を復活できるか? 固唾を呑む地方と、その行方とは

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栃木県宇都宮市と芳賀町で8月26日、LRTが開業する。LRTは2000年代に各地で生まれた構想の大半が具体化しないままだが、状況が変わるかもしれない。

桃太郎線の協議再開にも影響か

LRT化の3者協議がコロナ禍で中断している岡山県のJR桃太郎線(画像:高田泰)
LRT化の3者協議がコロナ禍で中断している岡山県のJR桃太郎線(画像:高田泰)

 現在、具体的な計画が生きているのが、岡山県を走るJR西日本の桃太郎線だ。

 桃太郎線は正式路線名が吉備線。全線単線の非電化区間で、岡山市の岡山駅と総社市の総社駅間20.4kmを結ぶ。

 JR西日本と岡山市、総社市の3者協議で2018年にLRT化に合意し、8駅を新設してピーク時の運行本数を倍増させることを決めた。

 運行開始目標は2028年で、車両費など初期費用は約240億円。

・JR西日本:24%
・岡山市:29%
・総社市:9%

を負担し、残りを国の補助金などでまかなうとしている。

 コロナ禍で3者の財政状況が悪化したことから、2021年度から3者協議を中断しているが、総社市都市計画課は

「計画を断念したわけではない。宇都宮LRTの状況を見ながら、2024年度の予算編成前に協議を再開するかどうか話し合いたい」

岡山市交通政策課は

「宇都宮LRTが順調にスタートすれば、桃太郎線の追い風になる」

と期待を込めた。

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