宇都宮LRTに集まる都市再生への熱き期待 日本各地で盛り上がった「LRT構想」を復活できるか? 固唾を呑む地方と、その行方とは

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栃木県宇都宮市と芳賀町で8月26日、LRTが開業する。LRTは2000年代に各地で生まれた構想の大半が具体化しないままだが、状況が変わるかもしれない。

富山市の成功

広島市内を走る広島電鉄のLRT車両(画像:高田泰)
広島市内を走る広島電鉄のLRT車両(画像:高田泰)

 LRTは騒音や振動が少なく、ベビーカーや車いすでもスムーズに乗降できる。フランスのナントや米国のポートランド、マレーシアのクアラルンプールなど海外の多くの都市で基幹交通として利用されている。

 国内では2006(平成18)年、富山県富山市が富山ライトレール(現・富山地方鉄道富山港線)の運行を始めた。高齢者の外出機会が大幅に増え、富山ライトレールで市内を巡る観光客や視察客が全国から押し寄せた。富山市は一躍、コンパクトシティの優等生になる。

 これを受け、全国の自治体が相次いでLRTの導入検討に入った。札幌市、群馬県前橋市、東京都江東区、八王子市、横浜市、静岡市、石川県金沢市、京都市、堺市、神戸市、香川県高松市、愛媛県松山市など全国に及び、LRTブームが巻き起こった格好だ。広島市の広島電鉄、松山市の伊予鉄道など既存の軌道にLRT車両を導入した鉄道会社も少なくない。

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