エアバス機を90機大量購入 米国経済に依存する「メキシコ」の現在地とは
7月の初め、エアバス社はメキシコの航空会社ビバアエロブスと大型契約を結んだと発表した。ビバアエロブスが今回注文したのは、「A321neo」90機とのことである。
経済が好調に推移しているメキシコ
メキシコが、A321neoの大型契約を結んだ背景には、好調な国内経済がある。製造業が経済をけん引しており、特に自動車産業が中心的な役割を担っている。
日本勢のトヨタ、日産、ホンダ、マツダはもちろん、ゼネラルモーターズ、フォード、フォルクスワーゲン、ステランティス、起亜など、そうそうたる自動車メーカーがメキシコで生産している。テスラも、2023年3月に、米国との国境に近いヌエボ・レオン州に新工場建設を発表している。
さて、ここで2022年の自動車生産台数の国別ランキングをみてみよう。なお、()カッコ内は前年比増加分を示している。
1位:中国 2702万0615台(3%)
2位:米国 1006万0339台(10%)
3位:日本 783万5519台(0%)
4位:インド 545万6857台(24%)
5位:韓国 375万7049台(9%)
6位:ドイツ 367万7820台(11%)
7位:メキシコ 350万9072台(10%)
8位:ブラジル 236万9769台(5%)
9位:スペイン 221万9462台(6%)
10位:タイ 188万3515台(12%)
メキシコの2022年の自動車生産台数は、約350万台で世界第7位にランクしている。日本勢が半導体不足などで前年度比0%にもかかわらず、10%の増加を記録しており回復傾向にあるといえよう。
また、7月上旬に発表された2023年上半期の自動車生産台数では、約189万台(前年同期比13.9%)と、新型コロナウイルス感染拡大前の水準まで戻ってきている。ちなみにコロナ前の2019年は、約398万台(世界第6位)を生産していた。