辛口の「自動車評論家」はなぜ消えたのか 読者も怒り心頭? 背景にあったメディア業界の笑えない窮状とは

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自動車関連メディアの深刻な問題。それは「長文でしっかりとしたリポート」が激減しているという事実である。また、かつてのような舌鋒鋭い辛口評論家も姿を消している。

無料メディアの弊害

記者のイメージ(画像:写真AC)
記者のイメージ(画像:写真AC)

 自動車メディアにとって、この先どの様にユーザーの期待に応えていくか。それは非常に難しい課題である。

 筆者が連載しているモーターファンの様な有料メディアにするのはひとつの手ではあるが、インターネットメディアとは基本的に

「無料で読めるもの」

という認識が広まっている現状では、あえてそちらにスイッチするのもリスキーである。繰り返しになるが、現状でのインターネットメディアの運営が変わらず進行していくとなれば、重厚かつ濃密なリポートはさらに減っていくことになる。

 もうひとつ、インターネットメディアにはほかの問題もある。それは

「原稿料が安い」

ということである。筆者はライターをなりわいとして行く上で、最低限の原稿料は1文字10円という決まりを自分に課している。執筆の依頼等に対しては最初の交渉でこの数字を挙げてはいるが、現時点でこれをクリアしている仕事先はない。それでも生活のためには受けざるを得ない。

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