テスラ相次ぐ「値下げ」 米国の価格破壊ブームで、EVはお手頃アイテムになるのか?

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テスラの2023年第2四半期の売上高は、前年同期比47%増の249億ドルと過去最高だったが、営業利益率は前年同期から5ポイント下落して9.6%だった。

テスラに追随するフォード

フォード・F-150 Lightening(画像:フォード)
フォード・F-150 Lightening(画像:フォード)

 テスラによる値下げを追うごとく、フォードは5月、「Mustang Mach-E」を最大7%、3700ドル値下げした。1月に続いて2回目の値下げだが、バッテリー調達要件を満たさないことを理由に、米政府による補助金が4月から3750ドルに半減したことを受けた値下げとなった。

 さらに7月、「F-150 Lightening」が最大17%値下げされた。販売補助金の支給対象となる車両価格8万ドルを下回るグレードを増やして、販売拡大につなげる狙いのようだが、テスラがテキサス・ギガファクトリーで量産を開始したといわれる「サイバートラック」への対抗姿勢は明らかだ。

 テスラによる一連の値下げとそれに追随する動きによって、米国の電気自動車(EV)市場は様変わりし、新車価格の下落が始まっている。

 米国で自動車価格情報サイトを運営する「Kelly Blue Book」によると、6月のEVの新車平均価格が5万3438ドルだったという。前年同月比で約20%、金額にして約1万3000ドル下落している。

 1月の平均価格は6万ドルを超えており、2023年に入って相次ぐ値下げを実施したテスラと同調して、EV新車価格が下落していることを裏付けている。

 一方で、EVを含む全新車価格は沈静化しつつあり、6月の平均価格は前年同月比1.6%増の4万8808ドルで、前月(5月)からわずか0.3%増となり、高騰が続いていた市況から落ち着きを取り戻しつつある。

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