ビッグモーター、なんと30年以上前に「車庫飛ばし」で山口県警に摘発されていた!
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ビッグモーターの不正が次々とあらわになっている。顧客から預かったクルマを故意に傷つけたり、迷惑を顧みない販売手法を採ったりなど、さまざまだ。東京の一等地に本社を構える企業が、なぜこのようなことに手を染めたのか。
鈍かったメディアの反応
今回の問題発覚のきっかけとなった保険金不正請求問題についても、メディアの反応は鈍かった。
この問題を最初に取り上げたのは、東洋経済オンライン(2022年8月29日に記事配信)である。その後、同年9月16日付の『日刊工業新聞』では、日本損害保険協会の白川儀一会長(損保ジャパン社長)が記者会見で
「保険金返還請求など各社が顧客対応策を講じるべきだ」
と述べたことを報じている。
さらに、自動車業界紙の『日刊自動車新聞』は2022年12月19日付の記事で、白川会長が
「保険金不正請求は断固として許さない。毅然(きぜん)とした態度で対応する」
と述べたと報じている。この『日刊自動車新聞』の記事は「疑惑」とはしているものの、不正の内容についてはかなり詳しく書かれている。
「ビッグモーターを巡っては、事故車のBP(板金塗装)作業だけではなく、中古車販売や整備でもユーザーとのトラブルが確認されている。中古車販売では車両本体価格に加えて、納車や保証などの諸費用で、本来ユーザーが支払う必要のない費用を上乗せして請求している事例が業界団体などに報告されている。整備では、「エンジンオイル交換作業で必要な量の半分しか入っていなかった」「車検見積もりの倍近い金額を請求された」と訴える顧客も出ている」
その後、SNSなどでのリークによって事態は進展し続け、2023年7月6日に共同通信が保険金不正請求の記事を配信して初めて、メディアが一斉に報じるようになった。
こうしてみると、2016年にはすでに問題企業として認識され、2022年には疑惑が発覚していたにもかかわらず、メディアの反応は鈍く、保険会社の対応まで後手に回っていたことがわかる。