三菱EV「ヤマダデンキ」で販売開始 EV普及加速で法人需要掘り起こしも、思い出される13年前の苦い記憶
三菱自動車の厳しい現況
しかし、EVの普及が加速し始めたことで、実用性を重視したモデルなら、家電化で価格が安くなるのであればそれでもよい、という意見も見られるようになった。
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特に法人需要の商用モデルなら、普及に当たってはここが重要となる。その上で、
・車両販売
・充電設備の設置運営
・車両メンテナンス
までワンストップで提供できるのであれば、これはビジネスとしては競争力が高いとの判断である。
一方、三菱自動車の戦略判断はどうだったのだろうか。ここ十数年というもの、三菱自動車は日本国内での市場シェアを大きく落として久しい。三菱自動車の国内シェアは1990年代半ばから2000年頃に掛けてはおおむね10%前後で推移していた。
しかし、その後の三菱自動車はリコール隠しや燃費データ不正などの不祥事を起こしたことで、市場での信頼を大きく損なうこととなる。そこに畳み掛けるように、コロナ禍での生産遅延が遅い掛かったことで、現時点での市場シェアは
「2%前後」
まで低下を余儀なくされている。
2023年に入ってからは、コロナ禍での生産遅延が解消しつつある。加えてアウトランダーとエクリプスクロスというプラグインハイブリッド車(PHEV)の販売も好調である。ekクロスEVの人気も市場に浸透しつつある。すなわち状況は好転化しつつあるということなのだが、販売において重要な
「ディーラー数の減少」
に歯止めが掛かってはいない。
2022年7月の時点で、国内における三菱自動車のディーラー総数は604店舗。この数字は前年に対して微減だ。1位のトヨタの4963店舗はともかく、かつては市場でのライバルとされたホンダの2350店舗にも遠く及ばない。スズキ、マツダ、ダイハツ、スバルよりも少ないというのが現実なのである。