3連節バス「日本に合わない」は大間違い! 世界各地で大流行する納得の理由とは【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(14)

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欧米や南米などで2連節バスは珍しくない。しかし日本は導入が遅々と進まない。一体なぜなのか。

不思議な国「日本」

チューリッヒの3連節のトローリーバス(画像:牧村和彦)
チューリッヒの3連節のトローリーバス(画像:牧村和彦)

 日本は「連節バス」の導入が遅々と進まない、世界でも不思議な国のひとつだ。

 連節バスとは、ふたつの車両をひとつの節(フシ)でつなぐことで、ひとりの運転手で1台のバス車両よりも多くの乗員を輸送できる車両である。ときどき「連接バス」と紹介されたり、BRT(バス高速輸送システム)として日本でも紹介されたりすることがあるものの、このタイプの車両は、連節(れんせつ)バスと表記するのが正しい。

 日本で導入されている連節バスは、車長が18m未満、車幅が2.5m前後、定員は110~130人の2連節が一般的だ。車体背面に

「全長18m、追い越し注意」

という表示を見たことのある人もいるだろう。

 一方で、欧米の先進国だけではなく、南米などは、2連節バスはSNSなどで話題になるような珍しい車両ではない。大都市では数百台規模で運行している都市もざらであり、地方都市においてもくらしの足として浸透している都市が数多く存在する。前方2か所の扉、後方1か所の幅の広い扉から乗降ができ、乗降時間も通常の路線バスと変わらない。

 日本ではなぜか、ひとりの運転手で多くの人員を輸送できるこのような理想的な車両に対して、

「高価」
「ぜいたく」

という声をときどき耳にする。

 地方都市の議会での予算審議などでもそのような議論がされることがあり、海外の人からみれば、不思議な国といってよい。

 もちろん、単車で高頻度に運行できればそれに越したことはない路線もあるだろうが、いかんせん、高頻度に運行しようにも、日本にはサービス向上のために充当できるバスの運転手が今やいない。バスの運転手も高齢化しており、バス会社の人からは、2030年には

「3割の人員減」

になるとの話も聞く。

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