昭和~平成の「モテるクルマ」とは結局何だったのか? 日本が元気だったあの頃、人気車事情を振り返る
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昭和の昔から自動車雑誌における定番ネタとして「モテるクルマとは何か」というのがあった。驚くべきことにそれは令和の今でも変わってはいない。
ワイルドな4WD人気も
バブル前後の日本の好景気感は、若者のクルマ文化に多様性をもたらした。前述のハイソカーブームの傍らで、市場ではワイルドな4WDが同じく人気を集めることとなる。
この背景には
・トヨタハイラックスサーフ
・日産テラノ
などの、今でいうところのスポーツタイプ多目的車(SUV)の元祖が1980年代に登場したことがきっかけである。
同じ頃、初期のアウトドアブームが本格化したこととも無関係ではない。ハイラックスサーフやテラノに乗ることは、
「アクティブかつ何でもできる男」
というモテるイメージの創造に貢献したことは間違いない。
そして、バブルの狂乱も一段落した2000(平成12)年。とあるテレビドラマをきっかけに1台のマイナー極まりなかったドイツ車が若者の間で人気を集めることとなる。
木村拓哉と常盤貴子が共演したテレビドラマ『ビューティフルライフ ふたりでいた日々』において、ヒロイン役の常盤貴子が乗っていたオペル・ヴィータが一躍注目され、相応の販売台数を記録することとなる。具体的な数字は判然としていないが、「思いの外売れた」という話は当時のディーラー関係者から筆者も直接聞かされた記憶がある。
・映画
・テレビ
・社会情勢
・イメージ
若者文化における人気車の背景はさまざまである。
今回は、バブル期のメルセデス・ベンツやBMWなどについてはエピソードが多すぎることもありあえて言及しなかった。そのほか、世界的に見ても特異な軽自動車スポーツカーやあえてノスタルジックなルックスをまとったクルマたち。これらもまた紛れもなく若者文化をけん引した。こうしたクルマたちについてもいずれ機会を見て解説したい。