オスロ空港を守る守護神「巨大除雪車」 なぜ日本でも使われないのか?

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冬季期間に入ると、積雪の影響で各公共交通機関が止まるといったニュースを耳にすることがある。しかし空港のなかには、閉鎖しないように積雪対策を実施している場所もいくつか見られる。

日本の積雪対策に巨大除雪車を使わない理由は

雪が積もっている滑走路(画像:写真AC)
雪が積もっている滑走路(画像:写真AC)

 除雪作業は膨大な予算が必要になり、冬季期間しか使わない除雪車を導入することはなかなか難しいのが現状だ。日本全土の冬季期間(12月から2月)の気候を考えて、積雪対策に巨大除雪車を導入することは、各空港会社を含め、国や自治体でも対応に頭を悩ませている。1年の約半分である6か月間が豪雪期間となるノルウェーのオスロ空港とは、積雪対策に対する考え方が異なるのだ。

 しかし一方で、日本でもさまざまな機能を有する除雪車の導入が行われている。日本唯一、独自の除雪隊を編成する青森空港では、毎年6種類の車両が稼働して冬の除雪作業を行っているのだ。

 また、国内最大級の高速除雪を可能にした「空港用高性能ロータリー除雪車」も積雪対策に対する大きな動きと言えるだろう。日本でトップシェアを誇るNICHIJOは590kW(802PS)エンジンを搭載し、時速40km/hで雪国の空港をスピーディーに除雪する能力をもつ車両だ。

「NICHIJO」は空港に適した除雪装置を装備し、エッジにはウレタン製にしてソリを車輪式、オーガには油圧式シャーピンレス装置、ブロワには機械式シャーピンレス装置を採用して風に影響されない水平角度での投雪が可能である。

 NICHIJOの車両寸法は全長8800mm、全幅2600mm、全高3790mmだ。NICHIJOに比べ、海外の巨大除雪車「TV1520」の車両寸法は全長1万1580mm、全幅3400mm、全高4420mm、「TV2200」の車両寸法は全長1万1450mm、全幅3400mm、全高4370mmである。

 海外の除雪車の性能は国内最大級の高速除雪車の数倍の性能をもつが、海外と同じような巨大除雪車を使わない理由は、車道幅の関係で輸送が難しいことなどが主な原因だ。

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