オスロ空港を守る守護神「巨大除雪車」 なぜ日本でも使われないのか?

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冬季期間に入ると、積雪の影響で各公共交通機関が止まるといったニュースを耳にすることがある。しかし空港のなかには、閉鎖しないように積雪対策を実施している場所もいくつか見られる。

オスロ空港の積雪対策とは

除雪車が空港内を走る様子(画像:写真AC)
除雪車が空港内を走る様子(画像:写真AC)

 ノルウェーのオスロ空港は積雪対策が秀逸と言える。というのも、同空港は他の豪雪地帯の空港と比べて、空港閉鎖率が低いのだ。その要因として「巨大除雪車」が大きく関係しており、重量40t、1時間あたり約1万t(1秒間に約3t)の除雪能力で、3000mもの滑走路を15分程度で除雪できる点にある。

 オスロ空港は北極圏に近く、冬季期間は10月から4月に及び、約6か月は豪雪との戦いだ。そのため、積雪対策に対する人材や資金は計画的に投入。冬季は除雪作業に90人を臨時雇用し降雪に備え27人のスタッフを待機させているのだ。

 除雪に向けた訓練や施設の準備に余念がない。入念な準備の甲斐あって、オスロ空港は1998年の開港以来、雪で空港を閉鎖したのは2回で、ほんの数時間で運航を再開しているのだ。

 ちなみに巨大除雪車である「TV2000」は世界に4台しかなく、そのうち2台をオスロ空港が保有。価格は約200万ドルにも及ぶ超大物のモビリティだ。そのほかに、オスロ空港は雪と戦うために薬剤を散布する「デアイシング」用の作業車や、「TV2000」の後ろを走行する大型除雪車を数台追走させて3000mに及ぶ滑走路を15分で除雪作業を仕上げる。

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