オスロ空港を守る守護神「巨大除雪車」 なぜ日本でも使われないのか?
冬季期間に入ると、積雪の影響で各公共交通機関が止まるといったニュースを耳にすることがある。しかし空港のなかには、閉鎖しないように積雪対策を実施している場所もいくつか見られる。
強烈な寒波の影響を受ける航空業界

7月だが既に猛暑だ。先日、東京・八王子で気温39.1度を観測した。ノルウェー北端の町でも28.8度を記録し、北極圏で史上最高気温となっている。そんな暑さを和らげるために、今回はあえて冬の話題を書こう。
冬季期間に入ると、積雪の影響で各公共交通機関が止まるといったニュースを耳にすることがある。もちろん航空業界も例外ではなく、大雪のせいで足止めされてしまうケースは少なくないだろう。
しかし空港のなかには、閉鎖しないように積雪対策を実施している場所もいくつか見られる。例えばノルウェーのオスロ空港では巨大除雪車を活用。また日本の空港では巨大除雪車を使わず、複数社の共同企業体で編成された独自の空港除雪隊を起用して積雪対策を組んでいる。
その代表例が除雪隊ホワイトインパルスを有する青森空港だ。青森空港は有数の豪雪地帯に位置し、大寒波の影響で多い年では累計降雪量10mを超えることもある場所。そんな豪雪地域にある青森空港をホワイトインパルスが支えているのである。
ホワイトインパルスには、青森空港の設備である滑走路延長3000m、幅60m、除雪面積約55万平方mを約40分で除雪する能力がある。除雪作業時には計10台の除雪車が斜め1列に隊列を組んで走行し除雪を行うのだ。1回の除雪で出動する車両は6種類の34台(37装置)が機動するのである。