昭和レトロな自販機の宝庫 「オートパーラー」はなぜ今でも残っているのか

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「オートパーラー」をご存じだろうか。日本語に訳せば、さしずめ「全自動飲食店」といったところだろうか。一般的には昭和40年代後半から昭和50年代にかけて増えたといわれている。

不明確な発祥

前述の自販機で買ったトースト(画像:Merkmal編集部)
前述の自販機で買ったトースト(画像:Merkmal編集部)

 オートパーラーの発祥は明確ではないが、1965(昭和40)年には既に存在していたようだ。『中央区民新聞』1965年7月5日号には、

「自動販売機の無人食堂 西八丁堀に出現」

として、「オートカフェテリア」という「自動式食堂」の開店を報じている。

 記事によると、同店は西八丁堀1丁目(現・八丁堀1丁目)に完成したばかりの八重洲建物ビルの1階にオープン。現在は建て替えられているが、八重洲通りに面した一等地だった。約25坪の店内では自販機でおにぎりなどを買うことができ、ジュークボックスもあって、

「都内でもめずらしく二日の開店以来、とくに昼などは黒山の人だかりで賑わっている」

と書かれている。食品自販機は当時、最先端のテクノロジーを体験できるものとして大いにウケており、都市型店舗も多かったようだ。

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