トヨタ女性管理職「3.4%」 ホンダは「2.4%」 ごりごり“男社会”な自動車メーカー、男女平等はいつ達成するのか

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一般に自動車メーカーといえば「男社会」のイメージが強いが、だからこそ女性の意見が必要であり、経営陣から従業員までジェンダーバランス向上に当然ながら取り組んでいる。

昇進機会の平等化

女性管理職のイメージ(画像:写真AC)
女性管理職のイメージ(画像:写真AC)

 日産自動車には、DEI推進室という「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(多様性・公平性&包摂性、DE&I)」に取り組む組織がある。2004(平成16)年に社長直轄で始まった組織であり、管理職の女性比率が1.6%だったのを、2022年の

「10.3%」

まで引き上げた。

 だいぶ改善されたものの、現在は間接部門の従業員の女性比率が19.9%、管理職が10.3%、部長級が8.5%であり、上に上がるほどに女性比率が低くなっているので、昇進機会にジェンダーギャップがあるととらえている。本来は、部長級も母集団である従業員の女性比率と同じ19.9%となるべきなので、そこを目指している。

 管理職を増やす施策としては、課長や課長補佐候補の女性社員に対しては、キャリア開発会議を行っている。まずは当事者を抜きにして、その上司、さらに上の上司、人事、DEI推進室スタッフで、当事者のライフステージを考慮した上でキャリアの課題や解決法について話し合う。

 その後、当事者とキャリアコンサルタント有資格者が面談する、メンター(相談者)を付ける、リーダーシップなどを学ぶキャリア開発セミナーを開催するなど、継続的な支援を行う。こういった情報提供や総合的なサポートが、まだまだ女性管理職のロールモデルが少ないことに対する不安感などにも対応するという。

 女性だけを集めての研修を行う、役員とリーダーシップについて話し合う機会を設けるなど、ときに「女性優遇」という男性からのクレームが入るほどに、女性のキャリアアップに取り組んでいる。

 なお、女性管理職を増やしていくには、そもそも女性の社員の採用が必要である。間接部門では従業員の女性比率が現在19.9%であるが、いずれは日本の労働市場に占める正社員の女性比率である30%に持っていくことを目指し、積極的に採用を行っている。それが管理職の女性比率30%につながる。

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