トヨタ女性管理職「3.4%」 ホンダは「2.4%」 ごりごり“男社会”な自動車メーカー、男女平等はいつ達成するのか

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一般に自動車メーカーといえば「男社会」のイメージが強いが、だからこそ女性の意見が必要であり、経営陣から従業員までジェンダーバランス向上に当然ながら取り組んでいる。

自動車メーカーのジェンダーバランス

2022年10月31日撮影、東京都内の自動車ショールームに掲げられたトヨタ自動車のロゴマーク(画像:AFP=時事)
2022年10月31日撮影、東京都内の自動車ショールームに掲げられたトヨタ自動車のロゴマーク(画像:AFP=時事)

 近頃は女性の著名人を社外取締役に据えるのがはやっている。2023年6月、大手自動車メーカー・スズキの社外取締役にシドニー五輪女子マラソンの金メダリストの高橋尚子氏が就任したことが報道された。

 一般に自動車メーカーといえば「男社会」のイメージが強いが、だからこそ女性の意見が必要であり、経営陣から従業員までジェンダーバランス向上に当然ながら取り組んでいる。

 自動車メーカーが発表している女性の管理職比率の最新版は、

・トヨタ:3.4%(2023年)
・ホンダ:2.4%(2023年)
・日産:10.3%(2022年)
・マツダ:7.2%(係長を含む。幹部は3.9%、2021年)
・スズキ:1.58%(2021年)

である。

 自動車メーカーを含めた国内の大企業製造業の5.1%(厚生労働省「令和4(2022)年賃金構造基本統計調査」における計算結果)と比べても、世界のトヨタ、ホンダの比率が非常に低いのがわかる。

 大企業ほど管理職にすべき女性の人数が多くなるため、変えていくのは難しいと考えられるが、2023年のジェンダーギャップ指数が世界146か国中

「125位」(G7で最下位)

であることが思い出される低さである。

 それではこの割合がどれくらいならよいかというと、30%以上である。1977年に米ハーバード・ビジネス・スクールのロザベス・モス・カンター教授が提唱した「黄金の3割理論」に基づく。

 女性が30%を超えるとその組織においてマイノリティーではなくなる。そうなると女性は意見がいいやすくなり、男性も女性の意見を受け止めやすくなる。女性が意思決定に影響を与えるようになる、そして組織が変わり始めるのに30%が分岐点であり、それ以下では女性が

「お飾り」

になり、効果が見えにくいといわれている。

 国連も政府もこの30%をひとつの指標としているが、日本の自動車メーカーの30%達成には長い時間がかかることだろう。しかし他と比べて突出して高い数字を出している日産はどんな取り組みをしているのだろうか。

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